主役を狙って光を当てる
大事な「主役」が他の脇役たちに
埋もれてしまわないように、
スポットライトを当てよう。
デザインした本人が「主役」の要素がすぐに分かるとしても、
それは既に内容を理解しているからにすぎない。
予備知識のない人が初めて見たとき、
同じようにすぐに理解してもらえるとは限らない。
そのチェックには、
離れた場所からデザインを眺める方法が有効である。
通常よりも大幅に離れた、
文章の読めないくらいの距離からデザインを眺めてみて、
それでもなお「主役」がちゃんと分かればOK。
「机で見てたときは良さそうだったけど、離れてみたらわからなくなった」
ならまだまだライトが弱い証拠。
STEP❶離れて見てみる。
いつもの数倍離れた距離からデザインを見てみて、どう感じるかチェックする。
STEP❷ライトを当てる。
主役にすぐ目が向かわなかったら、何らかの方法でライトを当てていく。
STEP❸もう一度離れて見てみる。
主役っぽくなったか?離れたところから確認。
色のライト
色がないなら、足し算で目立つ。
色がありすぎるなら、引き算で目立つ。
基本的には、白・黒・グレーなどの無彩色よりも、
何らかの色味があった方が目立ちやすい。
ただし、
目立たせたいからといって使いすぎてしまうと、
今度は色があることが「ふつう」になるため、
かえって特別感がでなくなる。
スポットライトがライトとして機能するためには、
周囲が暗くなければ意味がない。
必要最低限の数と量を使うようにする。
地のライト
地を作ることで、図を弱める。
図を作ることで、地を弱める。
「図と地」という概念があり、
図はカタチのもので手前に出てきやすい。
その図の背景に当たるものが地であり、
奥まって感じられやすい性質がある。
この2つにはシーソーのような相関関係があり、
図に意識がいくと地への認識は弱くなる。
この性質を活かしたのが地のライト。
たったひとつの「地」があるだけで
ほかへの意識が弱まり、
主役がふっと浮かび上がる。
サイズのライト
画面に占める面積≒重要度。
主役よりも脇役の大きさも影響。
目立たせたい要素を一番大きくするのも素直で有効な方法である。
面積を占める割合が多いほど目立ち、
重要度が高く見える。
どのくらい大きくしたら「主役」に見えるのか?
そのバランスは「脇役」が握っている。
他の要素がごくごく小さく並んでいるのであれば、
ほんの少し大きくするだけで十分。
一方、脇役の存在感が強い時は、
やり過ぎないくらいにガツンと大きくいく。
余白のライト
おおまかに眺めても分かるくらいの余白の差をつくる。
脳の神経細胞には、
おおまかな空間に反応する細胞と、
細かい情報に反応する細胞の2つがある。
そのため、
おおまかな空間認識でも分かる「差」のほうが認識されやすい。
下図のように、
境界線を入れるより余白で作った境界線の方が分かりやすいのは、
細かい情報が見えなくても区別できるためである。
離れたところから眺めるとその差がわかるため、
埋もれた主役の救出に役に立つ。
揃えないライト
まっすぐにはナナメを。整列にはズレを。
秩序をつくってからあえて乱すという方法。
脳の神経細胞は異なる方向に対して良く反応する性質を持っている。
”まっすぐ”に反応する細胞と
”ナナメ”に反応する細胞があり、
それぞれ別々に処理されるため
異なる方向性の要素は違うものとして目立ちやすくなる。
ただし秩序があって初めて、
イレギュラーが利いてくるものである。
最初からランダムに配置するより、
基本ルールを作ってから崩した方が
バランスをとりやすくなる。
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