過去を訪れる
現代人のほとんどは、
新しいものにこだわるあまり、
みんな似たようなことを考えている。
一緒に考えてくれる相手がなかなか見つからないなら、
死者を当たってみよう。
色々なことを教えてくれるし、
最高の聞き役でもある。
古い本を読もう。
人類の歴史は長い。
あなたの抱えている悩みについてすでに書いている人が、
数千年前とはいわないまでも数百年前にはきっと1 人くらいいるはずだ。
古代ローマの政治家で哲学者のセネカは、
古い本を読めば、
著者の生きた年数分の経験があなたの人生経験に加わると述べている。
「私たちにとって閉ざされた時代はない。
私たちはどの時代にも近づけるのだ。
だとすれば、この短くて儚い時代を離れ、
過去に全身全霊を傾けてはどうだろう。
永遠で終わりがなく、
賢人たちと過ごすことのできる過去に。」
セネカはこれを2000年近くも前に記している。
オリジナルな考えが思いつかない時は…
①あなたが大嫌いでぶっ壊したいと思っている主流の考えを見つける。
②それとは正反対でみんなが忘れている古い考えを見つけ、現代によみがえらせる。
人間はとても忘れっぽい生き物だ。
そんなに昔までさかのぽらなくても、
私たちが忘れていたことを再発見できる。
ほんの20~30年前の本を開くだけで、
ずっと埋蔵されていた宝箱を開けた気分になれるはずである。
現代の生活の喧騒を逃れ、
似たような考えを持つ仲間たちの輪を抜け出し、
深い思考にふけるための近道を探しているなら、
ちょっとだけ過去を訪れてみるといい。
過去は尽きることを知らない。
毎日、過去は増えていっているのだから。