差別化だけが価値創造ではない
- HR

- 8月22日
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ビジネスの世界では、「他社と差別化すること」が成功の鍵だとよく言われます。確かにそれは一つの道ですが、「誰もやっていないこと」だけが価値ではありません。
むしろ、多くの価値は、“当たり前のことを、誰よりも丁寧にやること”から生まれています。
■ 「普通」を徹底することの価値
ある中小企業の話をご紹介します。その会社は地方で文具店を営んでおり、大手チェーンと価格では勝負になりません。
けれど、接客だけは徹底的にこだわりました。
お客様が迷っていれば、必ず声をかける
手書きのPOPで商品への思いを伝える
お客様の名前を覚え、会話の中で呼びかける
特別なことはしていません。ただ、「誰でも思いつくことを、誰よりも丁寧にやる」ことを続けただけです。
結果として、「あの店じゃないと買いたくない」というファンが増え、ネット販売にもつながっていきました。
■ 差別化より「信頼化」
差別化は、一時的な注目を集めることができます。でも、長続きする価値は、「この人(この会社)に任せたい」という信頼の積み重ねの中にあります。
信頼は、派手なアイデアでは生まれません。時間をかけて積み上げる丁寧さ、誠実さ、期待を裏切らない安定感が、じわじわと顧客の心をつかんでいくのです。
■ 「すでにあること」にどう向き合うか
「何か新しいことをしないといけない」と焦ってしまうこともありますが、まずは今、自分たちがやっていることにどれだけ真剣に向き合えているか?を見直してみることも、大切な価値創造です。
日報をただ書いていないか?
お客様の要望を“業務”として処理していないか?
社内での報連相を、惰性で流していないか?
そうした日々の行動こそが、無意識のうちに「会社の価値」を形づくっているのです。


