パソコンから離れる
アイデアがどこから湧いてくるかなんてわからない。
ただパソコンからではないことは確かである。
デジタル時代に忘れてはいけないことは、
指を使うこと。
手は1人1人が持っているデジタル・デバイスだ。
使わない手はない。
パソコンはモノづくりの感覚を奪う。
ひたすらキーボードを打ち、
マウスのボタンをクリックしている気分になる。
”知的労働”に実感が伴わないのはそのせいである。
頭だけで作った作品なんて、
ちっともよくない。
一流のミュージシャンのショーや
一流のリーダーのスピーチを見て欲しい。
その意味がわかるはずだ。
だから、
身体を使って作品を作る方法を見つけることが重要である。
まずは形だけでも身体を動かしてみれば、
脳にエンジンがかかり、
思考も冴えわたりはじめる。
パソコンはアイデアを編集するにはいい。
アイデアを世に送り出す準備をするのにもいい。
しかし、
アイデアを生み出すのには役立たない。
削除キーを押す機会が多すぎる。
パソコンは我々を完璧主義者にする。
アイデアが浮かぶ前から、
アイデアを編集してしまうことになる。
オフィスがあるなら作業用スペースを2つに分けてみよう。
1つはアナログ用で、
もう1つはデジタル用。
アナログ・スペースでは、
エレクトロニクス類はいっさい禁止にする。
1,000円持って近所の店の文房具コーナーに行き、
紙、ペン、付箋紙を見つくろってこよう。
アナログ・スペースに戻ったら、
図工の時間だ。
紙に落書きをして、切り貼りしよう。
作業中は座らず紙を壁に貼って、
パターンを探す。
デスクに広げて、選り分けよう。
アイデアがまとまったらデジタル・スペースに移動して、
パソコンで制作やDTPを行う。
熱が冷めてきたらアナログ・スペースに戻って、
遊びの続きだ。