「好きなことで生きていく」+ 倹約
「フリマアプリで売れるんじゃない?」
「これならお店を出せるよ!」
私たちは商売の言葉を使って
相手を褒めるように刷り込まれている。
何かの才能がある人を見たとたん、
仕事にした方がいいと勧める。
確かにそれは最高の褒め言葉だ。
お金が稼げるくらい才能があると言っているわけだから。
昔は趣味だったものが、
今では“副業”に置き換えられている。
社会の状況が悪化し、
セーフティネットがなくなり、
安定した仕事がどんどん少なくなるにつれ、
かつて心の癒しとなり、
仕事のことを忘れさせ、
生きがいを与えてくれていた余暇が、
収入源や本業をやめる手段としてとらえられるようになった。
あなたの大好きなことを、
あなた自身や家族を養う手段に変えた途端、
状況はものすごく複雑になる。
情熱を生活の糧に変えたことがある人なら誰でも、
それが危険な道のりだと知っている。
大好きなものを大嫌いになる一番手っ取り早い方法は、仕事に変えることだ。
要するに、
精神的に生き生きとしていられるものを、
文字通り生きていくための手段に変えることである。
情熱をお金に変えたら人生にどんな影響が出るのか、よくよく考えないといけない。
もしかすると、
本業を続けたほうが豊かな暮らしが送れると気づくかもしれない。
創作活動で生計を立てはじめたとしても、
そのすべてをお金に変えるのは思いとどまろう。
市場に流通させない作品、
あなた自身のために取っておく作品を一部でも残しておくべきである。
といっても、
アーティストやフリーランスの生活はいつも経済的に厳しい。
だから、
あなたが理想とするライフスタイルを思い描き、
そのための生活費を入念に計画し、
お金のためにすることとしないことをきちんと線引きしよう。
それともう1 つ。
アーティストとして創作の自由を最大限に高めたいなら倹約が大事だ。
自由な創作生活を送るうえで大切なのは、
収入相応どころか収入未満の暮らしを続けることなんだ。
「好きなことで生きていけ!」という台詞をよく聞く。
でも、そんなアドバイスを聞くたび、
そこまで言うならお金のやりくりの仕方も一緒に教えてくれよ、
と思わずにはいられない。
「好きなことで生きていく」+ 倹約 = よい人生
「好きなことで生きていく」+「贅沢したい」= 時限爆弾
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